研修医紹介【194】 川上 ちひろ
川上 ちひろ(かわかみ ちひろ)
昭和大学病院
希望診療科:救急科
研修時期:2021年10月
宮古島は私自身のルーツでもあり、いつかこの島で働くことを夢見てきました
「自分も離島の医療に貢献したい!」という思いで臨んだ先には、島が抱える高齢化に伴う医療需要増大の問題と、そこに必ずついてくる独居高齢者への社会的支援、在宅医療の制限、訪問看護との連携、長期入院患者の行先など、様々な問題がありました
病気が治っても、自宅で生活できない、家族がいない、自分が家族の世話をしなければならない・・・医師として病気の治療だけでなく、そのような患者背景を深く理解し、医療スタッフやソーシャルワーカー、家族と連携し、ひとつひとつ問題解決していく必要があることを改めて実感しました
また実際に働く中で、“離島医療の限界”にも直面しました
何でも揃っていて、最善の医療が行える病院から来た私には、今まで当たり前であったことは当たり前ではない
限られた医療スタッフ・医療資源の中で施さなければならない医療があることを知りました
外来や病棟管理の中で悩む私に、指導医から「ベストではなくマッチベターであればいいと思っている」という言葉をかけられたことがあります
それは恵まれた環境の中できる最高の(ベスト)医療はここではできない、だけど患者にとって以前より良い(マッチベター)医療ができれば良いということだと理解しました
悲しくもこの島の医療には限界がある…それを知り落胆したこともありました
しかし、チーム医療や訪問診療にあたる中で、患者・家族と医療スタッフとの信頼関係が非常に強く、ここだからできる医療があることも肌で感じました
小さな離島だからこそ、患者を深く知り、患者・家族にとってベストな医療を実践している医師・医療スタッフの皆さんをみて、いつか自分も本当の意味で離島の医療に貢献できる日が来たらと願っています
1カ月間皆さんに助けられながら大変充実した研修を送ることができました
ありがとうございました
川上 ちひろ
昭和大学病院
https://www.showa-u.ac.jp/SUH/index.html